お嬢様特急
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お嬢様特急
『お嬢様特急』は、出会った人々と会話を楽しみながら進めていく恋愛アドベンチャーゲームです。 3000枚を超えるグラフィックに、CD2枚のフル音声がまるで「生きている女の子」が存在するかのような臨場感を演出しているのが特徴です。 【ストーリー】 8月のある日、日本列島を縦断する超豪華特急ヴェガがプレイヤーを乗せて稚内を出発。 終着駅もルートも知らされていない15日間の列車の旅。 この旅の中で多くの魅力的な女の子との出会い・別れ・決断を経験していく。 旅が終わりを告げる時、あなたの前に立っているのは・・・。
今のゲームには無いロストテクノロジーとも言うべきギャルゲー
ギャルゲーとはことゲームのジャンルにおいて特別に異彩を放つものだ 基本は紙芝居と揶揄されているように、ハードの進化に関わらずシステム自体に大きな変更点は見られない 後は、その時々のトレンドに任せてヒロインを造形し、システム面でプレイヤーに便利な環境を用意できれば良いのだ 要はこれだけ表現方式が完成されている、とも評することができるだろう さて、お嬢様特急はどうだろうか? 約15年ほど前のゲームなので、システム自体が、 手取り足取りプレイヤーをサポートするほど便利ではない 以下に不満点を列挙するが、 ・日本を縦断する列車ヴェガに乗って、ヒロインと恋愛する内容なので、どうしても始発でスタートするため 複数回プレイ時に同一ヒロインとの同じ出会いやイベントを体験することになるので、回を重なるごとに辛くなる ・フラグが立ったヒロインの後の旅はいわゆる消化試合になるため、自室に引きこもるハメにもなってテンポも悪く感じてしまう (この場合、同乗しているヒロイン全員が登場する「集合イベント」にあてることもできるが) ・体験した1枚絵をアルバムモードなどで閲覧できないのも、当時としては常識だったのにかかわらずに実装していないのは痛い (全員集合イベントはなぜか可能、写真撮影のようなものだからか?) ・イベント出現の確率がほとんど運しだいとなっているので、狙いを定めたヒロインとのフラグが立たず下車されてサヨナラ、なんてこともある (早い段階で狙うヒロインと会いまくると確率が変動するかもしれない) 不満は多くないが、その一つ一つのストレスが大きいので、損してしまっていると言える メモリーカードの占有ブロックは一つのため、経済的なのかもしれない さて、あえて不満点から語らせていただいた ここからは少し違う視点からレビューしてみよう 特筆すべき点は、その圧倒的なヒロイン数(サブヒロイン含め18名)と総数3000枚の描き込み量の多さにある もちろんフルボイス仕様である ヒロイン一人一人にこれでもか、と美麗な1枚絵が挿入されて、思わず目のこなれたゲーマーでさえ舌を巻くのは避けられないだろう しかも一部のイベントには、アニメーションで動作するものもあるのだ この作りこみは常軌を逸しているが、今でさえ新鮮味のある表現だからこそ、 熱狂的ファンの存在する大きな原動力になっているのだろう 僕はこのゲームクリエイトの気概は何かに似ていると思った 一番に感じたのは、大艦巨砲主義と一部から揶揄されたかつてのファイナルファンタジーシリーズだった 要するに、グラフィックや美麗なムービーに巨万の金をつぎ込んで、ゲーム性からは逸脱している、という批判なのだが、 ことギャルゲーにおいて、そういう作り込みをするゲームソフトを僕は見たことがない 僕はこのお嬢様特急は、その作り込みに対する気概をSFC版FF6のドット絵職人と同じように感じたのだ 流動的に変化するゲーマーの価値観に流されずに、守備範囲において、絶対の制空権を守り、約束に違わずに職務を全うする 誤解を恐れずに言えば、ロストテクノロジーとでも言おうか 今のメーカーにはないアナログな職人魂がこのお嬢様特急にはつぎ込まれている ロストテクノロジーとは皮肉で言ったわけではないが、 今のゲームでも、できるはずだと確信している 技術的に再現することなど金をかければ容易だろう それでは、一体何が「ロスト」したのだろうか 僕は、単純な個人の労力が連鎖的に炸裂する化学反応だと解釈している そしてそれはこと「ビジネス」において、出る杭は打たれる、という不器用な種類のもので、 勝手気ままともいうべき「情熱」と呼ばれるものだ それは時に、 バレーボールはこんなものじゃない!と開発を根底から見直したり、 会議場で人の魂をPSの上に出現させると宣言した人もいたりして、 本作では、自身も忘れる数千の絵を描き起こしたりしている 偏執的ともいえる情熱は気まぐれに奇跡をも起こすのだ 突然だがここで、なぜお嬢様特急のレビューにおいて、不満点を先に列挙したことの理由を解説させていただく このゲームの仕様自体が列車で旅をするシナリオなため、再プレイの場合はどうしても始発の駅から始めることになる。と僕は先述した 前回のプレイでハッピーエンドを迎えたヒロインと、今度はただのお友達として「別れ」を体験することもできる これは裏をかえせば、ゲームじゃないリアルの旅行の「一期一会」を再現した、とも評価することができるのだ そして、そのためのイベントが用意されていて、その時、ふとよぎる寂しさは、まさに「旅」における醍醐味の具現化ともいえる すなわち、このゲームにおける「旅」は一度きりなのである もし仮に、スタート地点を二週目以降から選択可能にした場合、その感動は何倍にも稀釈され、最後には「旅」として機能しなくなるはずだ 僕が先に挙げた不満点は、大きな短所には違いないが、その遠くを見て貰えば、長所が存在することに気付いてもらえると思う 今のゲームは「接待方式」だと僕は勝手に呼んでいる 射幸心を煽り、仲間達の美辞麗句で、いかに主人公をヒーローだとはやしたてるか? アニメで言うなら「こういう動作に萌えるんでしょ?良いよ。やってあげるから、見ててね」といったところか ゲームの企図やテーマなどにかかわらず、いかにプレイヤーを巧く接待するか、それだけに腐心しているように見えるのだ ゲームとは単なる利便性のみで評するのことできない、不便さによってさえ、面白く感じることのできる娯楽だと言えよう 圧倒的な戦力でボスを倒すか、ギリギリの戦力で勝ち抜くのも人それぞれだが、 そこにゲームとしての不自由のルールがなければ、残るものはシナリオの枠組みの違いだけしか残らない 実際にレトロゲームの範疇で「今でも遊べる」と言っても、 懐古的な価値観による「思い出補正」である先入観の評価があるのは避けられない しかし、お嬢様特急は違う 今でも遊べるのだ 少なくとも、今のギャルゲーには充分に匹敵する内容で勝ちにさえ分類されるだろう マシンパワーの進化にあらがう紙芝居、もといギャルゲーにだからこそ出来る芸当であろうが ゲームクリエイトとはかくあるべきと、いまでも生き字引となって存在する事実に、かつてのスタッフにありがとうと言いたいのだ 是非このゲームをプレイして、15年の時の流れを超越する瞬間を日本縦断特急ヴェガの終点「夢の崎駅」にて感じていただきたいものである
一途に頑張ろう
・TVアニメに近い絵がいい。綺麗。 ・キャラクターは個性的で、多くて、親しみやすい。 ・各キャラの曲は無し。曲のパターンが少ない。 ・プレイヤーが好きに移動できるというのは面白いけど、時間がたつのもゆっくりな上、誰もいないと特にすることも無く、時間つぶしが大変。プレイヤーにとって無駄とも思える作業が重なる。 しかもその作業をしなければ、時間が進んでいかない。 一日がとてつもなく長い上、セーブできるのは一日の終わりだけというのも、苦しい。 ・シナリオはキャラクターによって話の長さや深さが異なる。 キャラクターたちは途中下車していくが、主人公は北海道から鹿児島まで列車に乗って行かないといけない為、最初の方で降りてしまう女の子がお目当ての時は、両思いになった後、終点まで意味のない果てしない旅を続けなければならないのだ。そしてシステムの都合上、同時攻略は困難と思われます。 でも、好きなんです☆気になった方はやってみて損はないと思います!!
出会いと別れ、そしてその人を想う
あまりにも懐かしいのでレビューします。 その昔、ハマりました。日本を北は北海道、南は鹿児島まで縦断し、主な観光名所がいろいろ出てくるので、ただの恋愛ゲームとしてだけでなく、旅行が好きな人も楽しめる内容です。 登場する女の子は、乗ってくる駅や降りる駅がそれぞれ異なっているのが最大の特徴で、例えば、初めの方の駅で乗ってきた女の子と仲良くなり、その女の子は途中で降りる。主人公は最後まで旅を続け、終着駅を降りるとそこには・・・ってな展開がたまりません。もちろん、逆のパターン(乗ってくる駅が遅い)も味があります♪いろんな出会いが楽しめます。 登場する女の子達は他の恋愛ゲームと違い、絵はアキバ系でもなく、女の子の髪の色が青やピンクなどあり得ない色でもなく、ある意味地味に映るかもしれませんが、質素でかつ清潔感あふれる娘たちばかりで、僕にとっては、非常にポイントが高いです。 そんなこんなで、僕的には数ある恋愛ゲームの中でも未だに最高峰で、PS3辺りで新作が出てくれないかなぁ〜と待ってます(これだけ出てないんだったら、出ないんでしょうが…)。…だもんで、十ウン年ぶりにこのソフトを買っちゃいました。これからプレイする予定です。 ただの恋愛ゲームの枠に収まっていないところが最高です。
やっぱり面白い♪
このゲーム発売当時はSS版を予約して購入し随分遊び倒しましたが、最近懐かしくてまたやってみようと思ったのですが、所有しているSSの調子がいまいちなので、今回このPS版を購入してみました。 ミニゲームなどの違いはありますが、SS版で遊んでいた時のことを思い出しとても懐かしい気持ちになりました。 今遊んでもなかなかいいゲームではないかと思います。 絵がきれいで登場キャラの服装や髪型、髪の色などが突飛な物でないので一見地味な感じかもしれませんが、そこがかえってリアルな感じで親しみを感じます。 これだけ楽しいゲームなのに何故続編が出なかったのか不思議・・・
「ギャルゲー」でも「美少女ゲーム」でもなく「恋愛ゲーム」
いつから恋愛ゲームはオタク向けの気持ち悪いゲームになってしまったのでしょうか。 恋愛小説も、恋愛映画も、恋愛ソングも、誰もが楽しめる普遍的なジャンルであるにもかかわらず、恋愛ゲームだけは違うというのはおかしいと思っています。 その点で、「お嬢様特急」は「誰もが楽しめる」という普遍性をもった数少ない恋愛ゲームのうちのひとつです。 旅をして、出会いがあり、別れがある。これは誰にとっても青春でしょう。 「○○萌え」のようなごく一部の人たちしか共感しないセンスを軸にしてはいないのです。 それがこのゲームのすごいところです。
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