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フロントミッション

25位

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スーパーファミコン 1995年2月24日
ドラマチックシミュレーションRPG
開発:スクウェア、ジークラフト
発売:スクウェア
ディレクター:岩崎秀雄
音楽:下村陽子、松枝賀子

カテゴリ:ゲーム
タグ:スーパーファミコンシミュレーションSLGSFCレトロゲー
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💡 アマゾンでのレビュー

★★★★★

スーファミで一番の名作か?

暗く悲しい物語だが、当時シミュレーションとしては爆発的な人気を得たゲームだった。 パーツを組み替えて自分好みのヴァンツァーを作ったり、装備武器により戦闘アニメが変わるなどの細かい作りこみがされていて、感動ものだった。ストーリーもよく練られていて、軍需産業というものの存在の悲しさをよく表現していた。 長い間待って、ようやくPSに移植されることになり、大喜びの今日この頃、スクウェアエニックスには今後も期待したい。

★★★★★

デバイスでトラウマ

ロボット物で、敬遠するかたがいるかも知れませんが、超名作です。 パーツと武器のカスタマイズにまずハマリ、深いストーリーはゲームに没頭させます。 序盤から盛り上がる展開も◎ 「地獄の壁」は戦うのが怖い位に強かった。 それでカレン・・・。トラウマです。 最後はカッコ良く悲しい展開ですがストーリー展開、システム、バランスと非の打ち所が無い大名作です。 フロントミッションファンで未プレイのかたは作りがシンプルな分、 テンポ良いこの作品をプレイしないと損します。

★★★★★

心を熱くさせるゲーム

初めてやったシミュレーションゲームでした。 重厚な世界観、緻密なグラフィック等色褪せません。 音楽で例えると90年代初頭のオルタナかな?初期のレディオヘッド、最近だとYUCKの曲を知っているならそんな感じの雰囲気です。 初めて、好きになる曲を聴いた時の様な衝撃でした… 感動で目頭が熱くなり戦闘で熱くなり… 思い出深いです。 機械が好き、タクティクスオウガの様なグラフィックが好きなら買いです。 似てるゲームはバッケンローダーですか、世界観(セガサターンのソフトです、場違いでごめんなさい。)が似ていて好きなのですが違いますかね…

★★★★★

重いテーマ性のあるストーリーは必見

ゲームジャンルは戦略シュミレーション(分かりやすく言えばスーパーロボット大戦とかファミコンウォーズ)です。この手のジャンルのゲームは今までプレイしていなかったので別ソフトの抱き合わせで購入したのですが、むしろこちらにハマってしまいました。それほど面白い作品です。 店で自軍のロボ(ヴァンツァー)を改造強化するだけでも武器やヴァンツァーのデザインが良くて時間も忘れて熱中しますが、やはりこのゲーム最大の見どころはストーリーです。戦争の悲惨さや正義に疑問を投げかけるストーリーは、会話シーンがRPGに比べて極めて少ないにも関わらずここまで重いテーマをプレイヤーに突き付けれるのかと感心しました。 とは言えストーリーだけがいいというわけではなく、勇敢だったり悲壮感が漂う秀逸なBGM群や遊びやすい難易度も素晴らしいです。特に難易度はシュミレーション初心者の私でも一部のミッション以外は苦労しなかったので、それがストーリーをより満喫しやすくしています。 値段も手ごろで遊びやすくストーリーも他のレビュアーの方が言うとおり非常によくできているので、とてもお勧めできるゲームです。

★★★★★

たとえ陰謀のヴェールを剥がせずとも、ハフマンの美しさは霞まない。

『フロントミッション』シリーズの原点にして頂点、シリーズ最大、ハーフミリオンの売上を記録した金字塔と言える作品です。『アークザラッド I・II』などを製作した外部会社「ジークラフト」と組むことで当時のスクウェアのファンタジーRPGに偏った印象を払拭しました。 後にスクウェアが事業部制を採用するとともに土田氏をはじめとする主要スタッフは吸収され、『5th』までのナンバリングタイトルに携わっていくことになります。 主人公をはじめ(元)職業軍人を中心とした仲間構成に象徴される通り、現実的でヒロイックさは乏しいのですが、それでも足掻き一筋の希望を繋いでいくストーリーラインと硬派なイメージは本作が確立することに。 敵もけして目に見える巨悪ではなく、現実と地続きの百年後の近未来における、どこまでも現実的な大国の陰謀、形なき悪意が正体なのです。憎しみをぶつける事すら虚しくなり、翻弄される人々の悲哀は、実に胸を衝きます。 その辺りの雰囲気はシリーズナンバリングの進行につれて薄れ、時には仕切り直しているものの、後続のシリーズに一本の芯を通したという意味で絶対に外せない存在感を示してると言えます。 作中における歴史は環太平洋、南北アメリカ、欧州、アフリカなどでブロック経済圏が発展する中、前世紀の再演というべき冷戦構造によって世界が分割された未来といった形で現れます。 中でも南北アメリカを統合した「ニューコンチネント合衆国(U.S.N.)」とそれに対抗して日本、東南アジア、オーストラリアが組んだ国家連合「オシアナ共同連合(O.C.U.)」、その最前線のひとつとして東西に分割された新興の島「ハフマン島」、ここが第一作の舞台となります。 『ONLINE』、『2089』シリーズなど「ハフマン島」を舞台とした関連作品は多く、この初代もPS、DSなど複数のハードに向けて追加要素を加えつつ、移植が繰り返されてきました。 シリーズの歴史はハフマン島にありと言ってよいでしょう。 2090年、紛争という名の戦争、二大国が持てんばかりの機甲戦力を投入し、多大なる犠牲の裏で大義を泥で塗り固めるかのような真相を隠していた「第二次ハフマン紛争」。 すべてはここからはじまるのです。 ……さて。 後に現実の国家とその舞台を借りてストーリーを進めることになるシリーズですが、その縛りが無い架空の島を設定したことによって、先に挙げた新たな世界観を模索しようという志には今からしても心惹かれるところです。 今は悪夢としても、発売当時は欧州連合に連想される国家共同体にまだ夢を持てた時代だったのかもしれません。 劇中で活躍する二足歩行ロボット「ヴァンツァー」を駆る主人公の部隊「キャニオンクロウ」は山岳や密林、砂漠などでの不意の遭遇戦をはじめ、渡河作戦、要塞攻略など様々なシチュエーションに恵まれます。 これも活発な火山活動から急激に隆起し、百年に満たないうちに豊かな自然が形成された島の特性あってこそ。 開戦時は当初の敵であるU.S.N.の攻勢に押され島の西側に大きく押し込まれた主人公たちが属するO.C.U.サイドですが、主人公たちが要所で活躍をするのと歩みを合わせた正規軍の再攻勢によって一気に戦線が動くのです。 シナリオ前半は島の特性をあますとことなく堪能しつつ、転変する後述のストーリーラインにもかかってきます。 ただし「戦車」なくしてあり得ない戦争(ユニットとしての戦車としてはSFC版では未登場)であると作中で市井の人から証言も得られています。ヴァンツァーは決して無敵の兵器ではないのですが、それでも相応の説得力が得られているのは下記の設定およびシステムあってのものでしょうね。 「MULS-P規格」と名付けられた統一規格によってヴァンツァーはパーツごとに細分化され、組み合わせて一個の人型となるようにセッティングすることができます。 陣営ごとに多様な兵器メーカーが競合しつつも不都合がないのはヴァンツァー黎明期の血塗られた歴史あってのものなのですが、その辺については別の記事で。 詳細につきましては本作から五十年以上前の年代を取り扱った外伝『オルタナティヴ(FA)』で詳しいです。 ちなみに本作の場合は胴体、右腕/左腕、脚部、バックパック、コンピューター、機体カラーリングなどを自在に組み替えて、カッコいい機体からネタ機体まで自由にカスタマイズすることができます。 人と同じ構造をした兵器の強みは、腕に持つ携行火器および肩部に装備した重兵装を様々に持ち替え/切り替えることで多様な敵に対処することですが、時には人型にこだわらずに脚部を組み替えることも視野に入ります。 クォータービュー形式で高低差のあるマップを表現したSRPGからわかるように、山岳戦では登坂力のある二脚が必須になる一方、砂漠では足が取られるのであえてキャタピラを採用することも考慮に入れる必要があるなど。 ヴァンツァーは基本的に飛ばない兵器ですが、状況や地形に合わせて最適解を狙うことでヘリや戦車に決して負けることはない、けれどそれらと正面から挑んで敵うものでもない。現実の上に「ヴァンツァー」という兵器が乗っかっているという雰囲気がこのシリーズの本分なのだと思います。あくまで私見ですが。 もっとも、シリーズを通してゲームシステムはある程度のごり押しを許容します。 そちらをフレーバー要素と割り切ってもゲームの楽しさは保証されているのでご安心ください。 また、先に挙げた設定をひるがえすようですがここ初代から目玉要素として登場したカスタマイズはシリーズ最高と謳われるシナリオを「演出」するためのツールとして割り切って設計された感もあります。 耐久値(HP)は敵味方ボス問わず、パーツ合計が最大999までという縛りがある一方で、経験値による火力補正が大きすぎて「矛」と「盾」のバランスが後半になればなるほど崩れ気味です。 後半になれば単発の火力が大きいはずのライフルや火炎放射器、ショットガンなどでパーツ破壊を狙うより一発当たりの数値が低くとも連発が利いて一行動で一挙撃破を狙えるマシンガン/バルカンに軍配が上がりがちです。 多種多様な武器の特性および差別化も後続の作品につれて現れてくるのですが、そちらも続編の記事で触れます。 身軽なフットワークで接近して一撃必殺を狙う「格闘」、手数で押していく「近距離射撃」、弾数制限があり補給必須であれ反撃を受けずに一方的に攻撃できる「遠距離攻撃」という大まかな区分こそ完成しているものの……。 基本「やられる前にやれ」がシリーズの鉄則としても、「多数の敵を一度に相手にせず少数ずつをおびき寄せての各個撃破の繰り返し」という基本を踏まえる以外に戦略性は乏しいかと。 近距離戦についての戦略性といえば「ゾーンディフェンス」の概念を採用した『2nd』、ないし手持ち火器の射程を一気に広げることで「射線」という概念の生まれた『3rd』以降が本番でしょう。 プレイスタイルとしては遠距離攻撃を優先して鍛えれば接近される前の敵の撃滅は可能である、近距離攻撃は隠し武器を使えば一気にカンストまで育成できる、一応後の先を取れるので格闘の役回りは死んでいない。 役回りの差別化は比較的できているとしても、全般的にシステムとしては大味ですね。セットアップも次の街に行けば性能がランクアップしていく買い換え方式なので結局のところ高い価格帯の高性能パーツにヴァンツァーが集約化されていく感は否めません。 一方で後続作品を含め、このシリーズの縛りは重量と出力の兼ね合いくらいと幅広いのですが。 ただし、ナンバリングが進むにつれて専業化を推奨する体になっています。 遠距離攻撃が格闘ないし近距離攻撃と両立可能であったりと、専業化も進んでいないのでカスタマイズの縛りは緩めなので全般的に初心者向けのつくりになっているのは美点と言えますが。 本作についてはキャラクターごとの育成の幅は要素の少なさから狭いと言わざるを得ません。 一応、やろうと思えば地雷で敵の足を止めたり、チャフを使って敵のミサイルをかわしたりといった要素はありますが、あくまで余技といった程度にとどまります。 そんなわけで装備と経験値が整わない序盤はともかく、敵軍の有名部隊「地獄の壁」がステージ(ミッション)7で立ちはだかった後の難易度は加速度的に下降気味です。 反面、主人公たちが正規軍を凌駕する腕前を持つ歴戦の傭兵部隊であることを演出し、テンポの向上と万人がクリアできる難易度の両立を目指していると考えれば腑に落ちるかもしれません。 本作の肝は演出を際立たせるためにシステムを整備したと言い切っていいシナリオの完成度の高さにあります。 主人公「ロイド」は冒頭のステージで開戦の引き金を引く事件に居合わせ、同時に恋人の「カレン」を失うところからこの物語は始まります。 ロイドは死に場所を求めるかのように最前線に立ち続ける中で生存が絶望的だったはずのカレンの足跡を見つけ、前述した様々な状況下で戦果を挙げる傍らで彼女の影を掴み、やがてこの戦争の裏側を垣間見ることになります。 人口数百人の小さな町「ラークバレー」でただ一人生き残り、墓標を守り続けた中年女性「モーリー」。 部下をすべて失い新鋭機を駆って復讐を挑むも、周囲の名の無き兵に劣るステータスでしかない地獄の壁隊長「グリーグ」。 など、場違いに弱い敵のステータスが主人公たちの強さ、戦争という現実に押し流される残酷さを引き立てるようで、軽快に進む戦線の一方で虚しさを引き立てるのですが、気のせいでしょうか? ちなみに本作は全30あるミッションのうち、ミッション18という比較的早い段階で両国が終戦を迎えるんですが、ここで仲間の死を受け入れられずに停戦勧告を受けいられずに戦闘を続行する名もなき兵たちが涙を誘います。彼らは撤退中ということもあり、寄せ集めのパーツで組んだヴァンツァーというのも切ない。 でも、ストーリーはまだ続きます。 終戦後の主人公たちは、世界のブロック化に伴って形骸化し某国の傀儡と化した国連帰属の下で治安維持を担うわけですが、これら活動の一端として目的不明のテロリスト集団「ハフマンの魂」と交戦を重ねる中で国家戦争の影に隠れていた真相がいよいよ見えてきます。 漆黒の大型ヴァンツァー「レイブン」を駆り、冒頭を皮切りに幾度となくロイドの前に現れ、場違いに強すぎる敵として、またカレンへの道を阻む障害として絶望を植え付けた謎の男「ドリスコル」。 彼と戦争のもう一つの立役者である日系軍需企業「サカタインダストリィ」。 その上で、ミッション24という段階までに「第二次ハフマン紛争」がなぜ起こされたか、宿敵ドリスコルとの一旦の決着、そして追い求め探し求めた恋人「カレン」の末路――そのすべてが明らかになります。 カレンの行く先を端的に示したシステムメッセージは本作におけるシナリオの極致でしょう。 それでも、ストーリーはまだ続きます。 ここまでロイドたちに指令を下してきた正規軍大佐「オルソン」らを、強くなった、なりすぎた主人公たちが易しく軽快に蹴散らしていくことを考えれば、ここからはある意味で長いエピローグなのかもしれません。 プレイヤーともども戦争の意義も、求めた愛する人すらも失った絶望を乗り越え、ロイドはそれでも進むのです。 ちなみにカレンがゲーム全体で顔を見せるタイミングは非常に限られているわけなんですが、存在感は非常に強く、プレイヤーの記憶に非常に焼き付いたヒロインとよく言われるところです。 それこそ主人公の副官として配置され、テーマ曲も持っているナタリーが確実に霞むほどに。 テーマ曲「Kalen」とともにハフマン等の自然の美しさを愛し語らう回想シーン、ならびにそのアレンジ曲「Within Living Memory…」などは演出タイミングの神がかりっぷりから人気の高いシーンであります。 そんなわけで真相を暴露してしてカレンが愛したハフマン島を守らんとするロイドが挑む一連の戦いの余勢を借りれば、ラスボスすら弱い。 というより明確に弱く設定されていると思いたいほどに。 けれど、ラスボスもまた、全貌すら見えない陰謀のひとつのコマに過ぎないと言い切られています。 勝利すら虚しく、それでも一縷の希望をつなぐエンディングは本当に評価が高いのですが。 ちなみにエンディングは二部構成になっているのですが、個人的な弔いと仲間たちの旅立ちを描いた前半部は先に挙げた曲が使われており、そこから仲間の再結集と希望に満ちた戦いの始まりを告げる後半部で明確にテイストが異なるものになっています。 その辺で好みは分かれるでしょうが、どちらにせよハフマン島とロイドたちのその後については『フロントミッション』がシリーズ化されて続編が描かれる中でもブラックボックスとしてどうなったかは触れられていないのですね。 きっと、なにを描いても嘘くさくなるから。 結局はロイドも戦いの中で力尽きるという斜に構えてはいるけど現実的な視点も、ハフマン島が大国の意向を無視して自立するだろうという妙に夢を見た結末も何かが違う気がします。 ハフマン島がプレイヤーもまた愛したひとりの女性の棺となり、その出棺を見届けた時点で一つのピリオド(時代)は終わったのかもしれません。 たとえ、外界が人間と機械の取り合わせを模索して、再びアプローチの違った悪夢を生み出そうとしているとしてもです。彼女が愛したハフマン島は思い出の中で今も輝き続ける、そういうことです。

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